新型コロナウイルスのVital sign(酸素飽和度)のモニタイング回数
厚生労働省が提出している手引きでは、重症度分類および管理について、中等症Ⅰでは酸素飽和度の測定は1日3回を推奨している。しかし経験症例において、入院時に中等症と判断した症例へ1日3回の断続的モニタリングでは、COVID19に合併症をきたし徐々に悪化していく患者の状態に気づくことが、遅れた。ので、この点は改善すべき課題と考えた。
日本では中等症Ⅰ以外の重症度においては、明確なモニタリング回数への言及がなく、実際の臨床現場でコロナウイルス感染症に1人対応する地域病院では、指示に困る。
加えて、酸素飽和度と呼吸の状態から、重症度を判定する分類は、WHOを含めた海外とは異なる分類法で、日本独自である点に留意する必要がある。
海外のモニタリング回数がどのように設定されているか調べた。
WHOや米国の国立衛生研究所、中国保健省が、それぞれCOVID19管理についてのガイダンスを出しているが、いずれもモニタリング回数への詳細な言及はなく、「Closely」といった表現にとどまっている。
Up to dateを用いても、モニタリング回数について言及はなかったが、
Up to dateのCoronavirus disease 2019 (COVID-19): Management in hospitalized adults
には、米国のいくつかの学術医療機関で、公的に利用可能なCOVID-19管理プロトコルが開発されている。と記載があり、その中のBrigham and Women's Hospitalにはモニタリング回数を含めて、詳細なプロトコルが記載されていた。また、PPEも含めてEvidenceも記載しながら、COVID19の入院管理指針が詳細に記載されていて、非常に参考になる。
Brigham and Women's HospitalのCOVID19プロトコルVersion2
https://covidprotocols.org/en/
Patient assessment⇒Vitals and Monitoringより