NEJM :大理石骨病 (Osteopetrosis)
(NEJM IMAGES IN CLINICAL MEDICINE)
6歳の女の子。歯が1本しか生えず歯科医を受診。聴力障害、2歳で視力障害、前頭部隆起、高眼圧、低身長を有していた。
採血:Ca 5.7mg /dl(正常範囲:8.7~10.3mg/dl)、PとALPは正常。
診断は?
大理石骨病
CT:頭蓋骨のび漫性肥厚あり(パネルA、矢印)。
手首Xp:硬化帯と半透明帯が交互にあり(パネルB、矢印)。
(大理石骨病の画所見:画像診断まとめ, 三角フラスコ変形:エルレンマイヤー・フラスコ変形)
骨密度の増加を特徴とする稀な遺伝子疾患。典型的には、遺伝子の突然変異が、破骨細胞機能の障害および骨吸収の障害をもたらす。
合併症:頭蓋神経圧迫、脆弱骨、骨髄不全
治療:カルシトリオールが開始、患者はインターフェロンγ-1b療法も投与を薦めている。
【大理石病の日本語概説】
【骨病理の比較】
Ca P AlP PTH コメント
骨粗鬆症 正常 正常 正常 多様 骨量の減少
大理石骨病 正常 正常 上昇 正常 分厚い濃い骨
骨軟化症(くる病) 減少 減少 多様 上昇 柔らかい骨
嚢胞線維性骨炎 上昇 減少 上昇 上昇 褐色腫瘍
Paget 骨病 正常 正常 多様 正常 異常な骨構造
【鑑別診断】
高ビタミンD症, 副甲状腺機能低下症, Paget 病, 乳癌または前立腺癌のびまん性骨転移, フッ素, 鉛, ベリリウム中毒, 骨髄線維症, 鎌状赤血球症, 白血病