小児総合診療医のひとりごと

小児科, 総合診療科(家庭医療), アレルギー についてのブログ

わかりやすい傷害予防(傷害速報)の考え方

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事故を予防するためには、いくつもの安全対策が必要となります。いわゆる、『スイスチーズ式』の考え方を『がっつり』パクります。子供に伝わらないので、私は事故予防の概念を日本で初めて・勝手にトムとジェリー』のチーズ式と呼んでいます(2021年9月時点で、私しかこのように呼んでいません笑。パクり返すときは、朝活研修医に許可を取ってください笑)

傷害速報とは

日本小児科学会が手掛けている、傷害速報をご存じでしょうか。

日常診療では、「こんな事故が起こるのか」とびっくりする事例に遭遇します。

しかし、実は、日本全国で同様の事例が、漫然と繰り返されています。

傷害を防ぐためには、発生状況を詳細に記録し、事前に対策を講じること(傷害予防)が最善です

対策を講じるために、傷害の情報収集を行い『傷害速報』として発表することで、広く情報提供しています。

現在、だれでも、『日本小児科学会の傷害速報HP』から、こどもの事故報告を行うことが可能です。 

傷害速報を参考に、傷害予防となる対策を講じることが大切です。

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実際の症例を考える

  • 金属製フックによる眼瞼裂創

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どんな対策が考えらえるか

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他にも多くあると思いますが、傷害予防のために、各々が知恵を絞ることが大切です。

傷害予防のこれから

『傷害予防』という概念・報告体制は、事故予防に、長年取り組まれてきた山中龍広先生によるところが大だと思っています。なお、『こどもの事故予防の父』と勝手に呼ばせていただいております。

これから・・・のことですが、小児科医ですが総合診療医として、成人も診療する中で、『こども』と同じくらい、『高齢者』の『ありえない事故』も多いと思っています。

『高齢者の事故』も、しかるべき組織が、事故の情報収集を行い、対策を練られれば、『こども』の傷害予防の概念と共に広く受け入れられ、社会的な議論を巻き起こし、よりよい環境・商品・制度が整備されるのではないか、と信じています。

★製品が変わることが、事故予防に最も有効であると思います。営利目的の企業等の方も、傷害速報を分析することで、『事故予防に配慮した製品』を作れば、新たな商業のチャンスにつながる、と考えます。