小児総合診療医のひとりごと

小児科, 総合診療科(家庭医療), アレルギー についてのブログ

アロマディフューザーの誤飲

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同様の症例を事故予防につなげる

日常生活の中で、「こんな事故が起こるのか」とびっくりする事例が発生しています。

小児科学会は、同様の事故予防につなげるために、傷害の情報収集を行い『傷害速報』として発表しています。

現在、だれでも、日本小児科学会のHPから、こどもの事故報告を行うことが可能です。 

傷害速報を参考に、各自が考え、事故予防となる対策を講じることが大切です。

液体芳香剤の事故

  • アロマディフューザーを含む『液体芳香剤』は良い匂いがするため、乳幼児の気を引きやすく注意が必要です

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アロマディフューザー(リードディフューザー)について

  • アロマディフューザーはいわゆる『液体芳香剤』ですが、特にリードディフューザーといわれるタイプを誤飲して、化学性肺炎を起こした重大事故が発生した。

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実際の症例を考える

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事故予防を考える:傷害予防の考え方を復習

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実例の傷害予防を考える

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*今回の症例は、子供の手が届きにくい場所に置いていたが、『こどもは興味が沸けば、踏み台などを使って触ろうとする』ため、こどもが興味を持ち行動してしまっても、事故が発生しない仕組みを考える努力が必要。

吊り下げ式

吊り下げ式は、念のため、できるだけ乳幼児の手が届かない場所に吊り下げること。

アロマストーン

アロマストーンは、販売されているものは、サイズが小さい製品が多く誤飲する可能性があるので、誤飲チェッカーに引っかからないもの(3歳の最大口径39mm、喉奥まで51mmなのでサイズの選択は要注意と思います)が良い。
売れ筋商品では上記の『生活の木 アロマストーン』80×80×24mmで乳幼児が呑み込めないサイズでした。
  • 最近は『こども』の誤飲・誤嚥を意識した商品もあるようです(日本製じゃなかったですが・・・)。

調べると、米国発のフレグランスブランド『Caption(キャプション)』のフレグランススティックが、誤飲誤嚥に配慮した製品でした。Amazonでは品切れ・入荷予定なしでした・・・。コンセプトはいい商品ですが、苦味成分も配合されていて。

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最後に

事故を0にはできなくても、0にする努力を『トムとジェリーのチーズ』式に考える。ことが大事です。

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参考文献:

液体芳香剤の誤飲事故等に注意!-乳幼児がリードディフューザーの液を誤飲して入院する事故が発生-独立行政法人国民生活センター  

日本小児科学会Injury Alert. No106.アロマディフューザーの液を誤嚥したことによる化学性肺炎