カフェオレ斑は、何個まで経過観察してよいか?カフェオレ斑の鑑別診断は?
集団におけるカフェオレ斑の個数
カフェオレ斑は、5歳未満の小児で約99%が2個未満。
Diagnostic Value of the Caf-au-lait Spot 'in Children より
Café-au-lait spots in neurofibromatosis type 1 and in healthy control individuals: hyperpigmentation of a different kind? Arch Dermatol Res. 2006 297(10):439-49.
・表皮にメラニン色素が多いことで生じ、健常人で孤発性カフェオレ斑は非常にCommonだが、多発性カフェオレ斑は遺伝子異常症を示唆する。正常人で5個以上は稀、6個以上はNF1のCut off値と考えられている(NF1は常染色体優性で3500人に1人。NF1は全例にカフェオレ斑を最終的に認めるが表現型は様々である)
・カフェオレ斑は、淡い茶色の限局性病変で境界明瞭な2-5㎝のものが多い。大きさは様々で2mm~20㎝以上までありうる。
・出生時でも存在するが、通常幼少期より身体発育と共に大きくなる。
・孤発性カフェオレ斑の有病率:新生児で、白人は0.3%、アフリカ系アメリカ人の黒人では18%と報告がある。
・基本的に孤発性カフェオレ斑は、先天異常や悪性腫瘍を示唆するものではなく、医学的な治療は必要ないが、美容改善のためにレーザー治療を行う場合はある。
・カフェオレ斑の原因となるメラノサイト密度は、顔や男性器は2000/mm2、体幹は800/mm2と 分布に差がある。また、年齢とともにメラノサイトは減少する。
Predictive value of café au lait macules at initial consultation in the diagnosis of neurofibromatosis type 1. Arch Dermatol. 2009 145(8):883-7.
・乳児や小児ではカフェオレ斑はCommonで、NF1の診断は他の臨床特徴が出現しなければ診断できない。家族歴のないNF1の早期診断は困難。
・孤発性は乳児の3%、健常小児の25%に存在する。しかし、3個以上は0.2~0.3%のみと報告されている。
・McCune-Albright症候群、リング染色体症候群、ワトソン症候群、ブルーム症候群においても複数のCALM(カフェオレ斑)が見られるが、これらはNF1よりもはるかに一般的ではない。NF1と類似の表現型特徴を有するが、SPRED1の突然変異によって引き起こされる症候群、ならびにNF1の他の特徴を有さない複数のCALMの遺伝的形態も報告されている。
・専門家は、3つ以上のカフェオレ斑を有する小児はNF1の評価・監視フォローを推奨している。
・最終的に初期にカフェオレ斑のみを症状に認め、NF1と診断された小児では、76%が4歳まで、94%は6歳までに、全例で8歳までにNF1基準を満たし診断された。
・NF1の遺伝子検査が確定診断を提供するのに有用
・カフェオレ斑の種類
A「典型的な」カフェオレ斑は、均一な色素沈着および明確で規則的な境界を有する病変と定義
B「非定型」または「不規則」カフェオレ斑は不規則な、汚れた境界または不均一な色素沈着を伴う病変と定義
Prevalence of Café-au-Lait Spots in children with solid tumors. Genet Mol Biol. 2016 May 24;39(2):232-8.
固形腫瘍のある小児で、カフェオレ斑の有無は一般集団と変わらない
Main syndromes associated with CALMs(カフェオレ斑). カフェオレ斑をみたときに鑑別を浮かべる疾患