小児総合診療医のひとりごと

小児科, 総合診療科(家庭医療), アレルギー についてのブログ

神経学的診断法

<3段階診断法>
①解剖学的診断:患者の愁訴および神経学的診察所見から病変部位を決定する。
②病因的診断:症状の発症様式から病因を決定する。
③臨床診断:病変部位、病因および患者の年齢における疾患頻度などを基にして疾患を決定する。

<病因的診断法>
神経筋疾患のおもな病因(9つ)→血管障害性、炎症性(感染性および免疫性)、占拠性(腫瘍性)、変性、遺伝性、機能性、脱髄性、代謝性、中毒性
①突発完成発症:発症時刻(何時何分)を特定できる。→血管障害、機能性疾患(てんかん片頭痛など)
②急性発症:1週間以内で症状が極期に至る。→炎症性、代謝性、中毒性
③亜急性発症:数週間から数か月で極期に至る。→占拠性、炎症性(結核性、真菌性髄膜炎が代表的)
④慢性発症:半年以上にわたってゆっくりと進行。→変性、遺伝性
⑤突発再発性:血管奇形、機能性(神経痛発作、てんかんなど)、代謝性(低血糖など)
⑥急性再発性:自己免疫性疾患(多発性硬化症、神経ベーチェット病、重症筋無力症など)

 

参考図書
神経内科ケース・スタディー 黒田康夫