新生児の頭蓋内出血
周産期医学 Vol.46 増刊号/ 2016 713-717より
病態:
側脳室周囲に存在する脳室上衣下胚層は、在胎25-26週で最大となり、以降は縮小傾向になる。
在胎32週以前の児では、脳室上衣下胚層に出血を起こした場合に脳室内出血となることが多い。
脳室上衣下胚層は、前脈絡叢動脈、内側線条体動脈、外側線状体動脈が支配し各々が内頸、前大脳、中大脳動脈の終枝で虚血やうっ血を含めた血流変化を受けやすい。
早産児の血管壁はコラーゲンや細胞成分に乏しく破綻しやすくIVHが発症しやすい。
在胎23-28週児の検討ではIVHなしは70.8%だった。
症状・診断:
特異的症状はなく、徐脈、無呼吸、大泉門膨隆、自発運動低下、筋緊張低下、痙攣などで気づく。
迅速性から診断は、頭部超音波検査が第一選択で重症はPapile分類(CT診断)、Volpe分類(頭部超音波検査)で行う。早産児のIVHは日齢3までに80%が起こるため定期的な画像検査を行う。
凝固能:ビタミンK欠乏に対するビタミンK2補充。凝固因子補充を目的としたFFP投与(10ml/㎏/回)
治療:
根本的な治療はない。出血後水頭症が進行する場合は腰椎穿刺、リザーバ留置、脳室腹腔内シャントを検討する。
予後: