小児総合診療医のひとりごと

小児科, 総合診療科(家庭医療), アレルギー についてのブログ

虫垂炎の手術をすべきか?薬物療法でもよいのか?

Efficacy and Safety of Nonoperative Treatment for Acute Appendicitis: A Meta-analysis

 Pediatrics.  2017, Mar, 139(3)

【背景

虫垂切除術の代替治療として、小児における急性単純虫垂炎抗生物質単独による非手術療法(Nonoperative treatment:NOT)が提案されている。

【目的】

既存文献に基づいて非手術療法の安全性と有効性を判断する。

【研究対象】

子供のAUAでないと報告しているすべての記事。

【結果】

10文献で、非手術療法を受けた413人の子供を報告されていた。RCT1文献を含む6文献で虫垂切除術を受けた小児と比較していた。

97%の小児において、非手術療法は初期治療として有効だった(95%信頼区間:96%~99%)。虫垂切除術を受けた小児では、病院滞在の長さは、非手術療法と比較して短かった(平均:0.5日、95%信頼区間:0.2~0.8、P=0.02)。

フォローアップの最終報告(期間8週~4年)では、非手術療法の82%(95%信頼区間:77%~87%)では虫垂切除術が必要なく効果的であった。

再発性虫垂炎は14%(95%信頼区間:7%~21%)で発生した。合併症および合計入院期間のは、非手術療法と虫垂切除術で同等であった。

 

研究の限界:前向き無作為試験ではない。

【結論】データから、非手術療法は安全であると示された。

これは、急性単純虫垂炎の97%において初期治療として有効と考えられ、虫垂炎再発率は14%であった。

長期的な臨床転帰および非手術療法の費用対効果は、大規模な無作為試験でさらに評価する必要がある。