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朝活研修医(総合診療科、小児科)in 温泉県

温泉県で総合診療科・小児科をしながら地域中核病院で勤務する研修医のブログ

クループの治療(ステロイド吸入・内服併用に意味はあるのか?ステロイド投与量で効果に違いはあるのか?)

ステロイド吸入単体・内服単体・吸入内服併用に効果の差があるか?』

結論→ステロイド単剤・ステロイド吸入・両者の併用療法の効果に有意差なし

Nebulized budesonide and oral dexamethasone for treatment of croup: a randomized controlled trial.

JAMA. 1998; 279:1629-1632.

 

クループに対して、グルココルチコイド内服とステロイド吸入の同時投与が有効かどうかを調べた無作為化比較試験(古い文献:1998年)。

 

3〜5歳のCroup症例を、加湿療法の少なくとも15分後にクループスコア2以上有する子供を3グループに分けステロイド治療を行った。

3グループ:

  1. 経口デキサメタゾン0.6mg/kg、+プラセボ吸入
  2. 経口プラセボ+ブデソニド吸入2mg
  3. 経口デキサメタゾン0.6mg / kg、+ブデソニド吸入2mg

3グループの病院の入院率、医師の勤務時間、救急部への再受診、1週間後に残存する症状(クループスコア)を調べた。

クループスコア(Westley):

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結果:

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Table1:

3グループの集団差なし。救急部受診時クループスコアは3グループ間でほぼ同等(3.5~3.8)。

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Table2:

3グループでクループスコアの改善度に有意差なく、いづれも同等に症状を改善する。

治療

クループスコアの平均改善点数

経口デキサメタゾン0.6mg/kg、+プラセボ吸入

2.3 (2.0~2.6)

経口プラセボ+ブデソニド吸入2mg

2.3 (2.2~2.6)

経口デキサメタゾン0.6mg/kg+ブデソニド吸入2mg

2.5 (2.1~2.7)

 

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Table3:

1週間後のクループによる症状も3グループで有意差なし。

結論:3グループはいずれも同様の結果であった。

 

 

ステロイド投与量で効果に違いはあるのか?』

Oral Dexamethasone in the Treatment of Croup:0.15mg/kg Versus 0.3mg/kg Versus 0.6mg/kg

Pediatric Pulmonology 1995; 20:362-368.

結論→デキサメタゾン0.15㎎/㎏、0.3㎎/㎏、0.6㎎/㎏単回内服のクループスコアの改善に有意な差はない。

 

二重盲検無作為化対照臨床試験

中等症クループで入院した小児における経口デキサメタゾンの単回投与の有効性を比較した

デキサメタゾン投与量は0.15㎎/㎏、0.3㎎/㎏、0.6㎎/㎏とした。

クループで入院した120人の子供(年齢範囲6〜160ヵ月)が参加。

各試験における2つの群に分けた。

トライアルA群:60人、0.3または0.6mg/kgのデキサメタゾンシロップを投与した。

トライアルB群:60人、0.15または0.6mg/kgのデキサメタゾンシロップを投与した。

アドレナリン吸入併用は、重症のStridorやクループスコア5-6点の症例に用いた。

クループスコア:

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結果:

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入院期間の中央値は、トライアルA/ Bで同等である(A:7hおよび8h、B:9hと9h)。アドレナリン吸入、集中治療を受けた患者数、クループ再発による再受診率、退院後の再入院率は、いずれも同等であった。

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治療後のCroupスコアの改善はグループ間で有意な差がなく、全てのグループで初期スコアよりも有意に低い。

デキサメタゾンの経口投与は、症状を緩和するために0.15mg/kgの用量で0.3または0.6mg / kgと同等に効果的と結論づけた。

 

重症例に関して:

A randomized comparison of dexamethasone 0.15 mg/kg versus 0.6 mg/kg for the treatment of moderate to severe croup.

Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2007; 71(3):473-7.

中等度〜重度のクループの治療には、デキサメタゾン単回投与0.15mg/kgと0.6mg kgが同等に有効である。

デキサメタゾン注射の0,1,2,3,4,6,8,10および12時間後にクループスコアを測定

⇒注射の1時間後よりクループスコアは有意に低下した。2つのグループ間の平均クループスコアは、全ての測定時間で差がなかった。0.15mg/kgと0.6mg kgの両群でクループスコアが2以下になるのは0.6㎎/㎏:8時間および0.15㎎/㎏:7.9時間であった。

いずれの群においてもデキサメタゾン治療からの重大な副作用はなかった。